僕はみきお、みんな元気？みんなは怒るとどうなる？腹が立った時、どうする？母ちゃんは、言いたいことを言うよ。ちゃんと話を聞いてあげないと、どんどんエスカレートして大きな声になるから、注意が必要だ。姉ちゃんは、ボディランゲージが大きくなるね。相手との距離を詰めてくるから、結構怖いよ。父ちゃんは…、部屋に閉じこもるね。
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そもそも、自分の感情を相手に伝えることは、ニャンズにとって難しいことではない、と僕は思っている。ニンゲンにとっては、難しいことだって、母ちゃんも姉ちゃんも、口を揃えて言うんだ。みんなはどう思う？
えっ？僕が怒ったときはどうなるのかって？そりゃあもう、手がつけられないほど怒るから、怖いのなんのって。冗談さ。理性的に怒るよ。マジのケンカにならないようにね。具体的にはこうするのさ。
まずは、相手との距離をほどほどにとる。そして、背中の毛を思いっきり逆立てる。そのうえ、しっぽも膨らませる。つま先立ちになって、頭と左手と左足を、一直線上に置いて全身に力を込めるんだ。これでスタンバイオッケー！
いち、にい、さん！って前にステップを踏んで、相手との距離を詰めていく。このとき大切なのは、顎を引いて上目づかいでにらみをきかせること！距離を詰めすぎないようにすること！これは、万が一の時に素早く逃げるためさ。あくまでも万が一の時のためだからね。
ところがさ、僕の家族は、この渾身の怒りの表現方法を「うわぁ〜！みきおさん、『やんのかステップ』してる〜！」とか言って、喜ぶんだ。姉ちゃんも母ちゃんも父ちゃんも、どうかしてるよ。僕は怒っているんだよ！！！
『やんのかステップ』って言うんだね。まさにそう。だってさ、僕は「なんだよ！やんのか！」っていう気持ちでやってるもん。
でも、それを見て喜ぶっていうのはねぇ…。男心が傷つくよ。力を込めて『やんのかステップ』しても、わかってもらえないなんてさ。悲しいよ。泣いちゃいそうだよ。
なに？わかってるの？僕が怒っていること？そうなの？じゃあなんで喜んでるのさ。おかしいじゃん。どういうこと？姉ちゃん。
「みきおさんが、怒っているってことはわかってるよ。でもね『やんのかステップ』をしてる、みきおさんが可愛すぎて、つい喜んじゃった」
そうなんだ。僕、ちょっと安心したよ。てっきり馬鹿にされてると思ってた。可愛すぎるのって罪だよね。ふぅ〜。
怒っていることが、伝わっていてよかった。『優男』の僕でも怒ることはある。まぁ、だいたいの原因は、驚かされたことだったり、怖かったことだったりなんだよね。
自分の思いが相手に伝わらないことほど、悲しいことはないもんね。僕は、取り越し苦労だったからよかったよ。でもさ、涙を流して笑うのはやめてほしいんだけど、母ちゃん。僕のハートが、ボロボロになっちゃうよ。僕の気持ち、父ちゃんならわかるだろ？これからも仲良くしようね、父ちゃん！じゃあまたね、ニャンバーイ！
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