ケンカしちゃったよ

僕はみきお、みんな元気？昨日、母ちゃんとケンカしたんだ。僕がケンカを仕掛けたんだよ。いつもなら、すぐに許してもらえて仲直りするんだけど、今回は、母ちゃんたらマジで怒ってるみたいでさ。まだケンカ継続してる。

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どうして、ケンカを仕掛けたかって？僕の家は、寝室が２階なんだけど、昨日の夜「みきおさん、そろそろ寝ようか？２階行かない？」って母ちゃんに声をかけられた。そしたら、無性にちょっかいを出したくなってね。僕の前を歩いてる母ちゃんのふくらはぎに飛びかかった。両手でガッチリふくらはぎの真ん中あたりをつかんで、軽ーく噛みついた。母ちゃんが「痛っ！何するの？」ってびっくりしてた。しまった…思ったよりも、強く噛みついちゃったのかな？

やばい…と思った僕は、机の下に慌てて隠れたんだ。母ちゃんは、その場でしゃがんでふくらはぎを確認した。そして、姉ちゃんに「みきおさんに噛まれて、歯形がついた」って、話してた。僕はすぐに謝ろうと思ってたのに、姉ちゃんに話したから、腹が立った。だから、姉ちゃんが、「みきおさん、どうしたの？」なんてやさしく話しかけてきたけど、知らんぷりしてやったのさ。こうなったら、キャットタワーの上で、徹底抗戦だ！

なんだよ、ちょっと歯形がついただけだろ？そう思った僕は、母ちゃんのふくらはぎをそっと見てみた。僕の歯形がついたふくらはぎは、そこだけ、むらさき色になってた。内出血したって、母ちゃんが言ってたな。内出血？なんだそれ。血管が、皮膚の下で破れて出血することだね。僕らニャンズはフワフワの毛がたくさん生えてるから、あれくらい噛みつかれても平気だけど、ニンゲンは違うんだね。僕的には、かなり手加減して噛みついたつもりだったのに。

母ちゃんのふくらはぎを見た僕は、ちょっと悲しくなってきた。母ちゃんに内出血させてしまった自分の噛む力より、母ちゃんのふくらはぎのほうが弱かったこと、姉ちゃんと母ちゃんに嫌われて、仲間はずれにされるかもしれないこと、なによりも、母ちゃんに、痛い思いをさせちゃったこと、この３つが、僕の大きな心を押しつぶし始めたんだ。

でもね、謝ろうと思ってもなかなか『ごめんなさい』が言えない僕。何回か、母ちゃんが「みきおさーん！」って呼んでくれてたけど、ずっと「母ちゃーん！」と駆け寄ることができないんだ。もう！素直になれ！僕！

だから、今朝から、おやつもごはんも、姉ちゃんにおねだりして、姉ちゃんにもらってた。その姉ちゃんが、「みきおさん、仲直りできたの？」と聞いてきた。まだ仲直りできていないこと、知ってるくせに！「そろそろ仲直りしてね！」だって。わかってるよぉ、そんなこと。

今、母ちゃんの後ろから、母ちゃんをじっと見てる。あっ、こっち向いた！どうしよう…。「みきおさん、おいで」母ちゃんが人差し指を僕のほうに向けた。僕は、泣きながら母ちゃんの人差し指に向かって走った。無意識のうちに母ちゃんに、ゴロゴロスリスリを繰り返していた。

「みきおさん、やっと来てくれた、ごめんね」と母ちゃん。僕こそごめんね、母ちゃん。母ちゃんになでなでされて、今、すっごくうれしいよ！僕！

仲直りできて、ホントに良かったぁ。みんなも『ごめんなさい』って言えるでっかい心を持ってね。僕もまだまだ修行しなくちゃね！がんばるよ！じゃあまたね、ニャンバーイ！